2002年7月9日(火)09:28

フィッシャー外相は欧州統合を加速するよう主張

フランクフルト・アム・マイン(AP)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は欧州統合のスピードを上げる意向である。月曜日の晩、フランクフルトの商工会議所で行った演説で外相は、欧州連合の統合はこの10年のうちにも完了させねばならないと述べた。外相は早くも2004年にはEUは加盟25ヶ国へと拡大していると確信する。

フィッシャー外相は目前に控えたEU東方拡大に対する懸念を退け、EUが南欧拡大した当時に良い結果が得られたことを指摘した。いかなる投資の場合にも経済では通例である構造基金による一種の「事前融資」を南方拡大の際にも行ったことが正しい判断であったと証明された。とはいえ加盟国は莫大な農業支出に制限を設けることを検討せねばならず、次の2006年の交渉ラウンドではEU現加盟国の取り分を新たに決め直す必要がある。全体として東欧諸国へのEU拡大は一層の安全と安定をもたらし、最終的には一層の経済発展につながる、と外相は主張した。

しかし、欧州連合の多くの国で伸長しつつある反欧州統合的な右翼大衆迎合主義の土壌を断つためには、断固たる民主主義化も必要である。この点で新たな憲法会議*)には大きな意義がある。憲法会議は野心的な方法で、市民が理解できるような透明性と明確性を欧州連合の決定プロセスに導入するよう検討する必要がある、とフィッシャー外相は述べた。

原題:Fischer macht Tempo bei europaeischer Integration - Erste Zusammenfassung

*)訳注:「憲法会議」Verfassungskonvent, 「改革会議」Reformskonvent などの呼称は、いずれも今年2月28日に発足したジスカールデスタン元仏大統領を議長とする「欧州の将来像に関する会議」(「将来像会議」)を指す。




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